ロッキード、受注が続くF-16Vのみで約3兆円稼ぐ

ロッキード・マーティンは昨年末、F-16シリーズの最新型「F-16V(Block70/72)」の生産を開始したと発表した。

黄金期を迎えたロッキード・マーティン、凋落の一途を辿るボーイング

F-16Vの生産は、これまで多くのF-16を製造してきたテキサス州フォートワースの工場ではなく、サウスカロライナ州グリーンビルに建設した新しい工場で生産されている。

出典: public domain F-35ライトニングⅡ

これは同社がテキサス州フォートワースで生産する第5世代戦闘機「F-35ライトニングⅡ」の生産ラインを増設するためには、F-16の生産ラインを別の場所へ移動させる必要が合ったからだ。

現在、グリーンビルの新工場ではF-16V(Block70/72)を世界で初めて発注したバーレーン向けの機体16機を生産しているが、同機のバックオーダーは順調に積み上がっており、当分の間、仕事に困ることはない。

発注が確定(ほぼ確定も含む)している新造機のF-16Vは、バーレーン向け16機、スロバキア向け14機、台湾向け66機、ブルガリア向け8機、モロッコ向け25機、計129機を受注し、その契約総額は関連費用を含めると約151億ドル(約1兆7,000億円)だ。

加え、フィリピンやインドネシアがF-16Vの導入を検討中で、今後も同機を導入する国は増えて行くだろう。

出典:hansenn / stock.adobe.com F-16 ファイティングファルコン

さらに旧型のF-16(A/BやC/D)を、最新型のF-16Vへアップグレードする需要は、新造機を超える盛り上がりを見せており、台湾144機分、ギリシャ84機分、モロッコ23機分、韓国から134機分、計385機のアップグレードを受注済みで、正式にV仕様とは名乗っていないが、F-16V(Block70/72)と同じレーダー「AN/APG-83」への換装を含むアップグレード作業を米空軍から372機分受注している。

アップグレード作業を含む関連費用の総額は約92億ドル(約1兆円)で、新造機受注分と合わせると約243億ドル(約2兆7,000億円)に達する。

ロッキード・マーティンはF-16V以外にも、F-35シリーズの大量生産を手掛けており、同社の戦闘機部門は正に黄金期を迎えていると言っても過言ではない。

一方で、カタール向けのF-15QAや米空軍が発注するF-15EX、F/A-18E/Fの最新型Block3の生産で何とか戦闘機部門を維持しているボーイングの凋落は、もはや誰の目にも明らかだ。

※アイキャッチ画像の出典:Keith Tarrier / stock.adobe.com

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