トルコ単独で第5世代機「TFX」用エンジンを開発可能?

搭載エンジンの開発に行き詰まりを見せていたトルコの第5世代戦闘機「TFX」だが、2029年までに国内で開発されたエンジンを搭載して初飛行を行うと明らかにした。

あの手この手でTFX開発を実現させようとするトルコ

第5世代戦闘機「TFX」用エンジンを開発している「TR Engine」のゼネラルマネージャーであるOsman Dur氏によれば、トルコ空軍と協力しながら80人の技術者がエンジン開発に取り組んでおり、プロトタイプのテストは2027年までに完了し、2029年にはTFXの搭載して初飛行を行うと話した。
当初、TFX用のエンジン開発はロールス・ロイスから技術的な支援を得て共同開発される予定だったが、開発したエンジンの知的財産権を全てトルコ側へ譲渡することを要求したためロールス・ロイスは事実上、開発から手を引いてしまった状態だ。
出典:JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 TFXのモックアップ
トルコはロールス・ロイスの代わりとなるエンジン開発のパートナーを探したが、開発したエンジンの知的財産権を要求したため手を挙げる企業がなく開発は完全に行き詰まり、ロールス・ロイスとの共同開発を再開するためトルコは再交渉を求めていた。
それにも関わらず、トルコ単独でエンジン開発に目処がついたと言い出したのだから首を傾げたくなる。
果たして、トルコに軍事用のジェットエンジンの単独開発は可能なのか?
トルコは、米国製戦闘機F-16のライセンス生産を行った実績があり、搭載エンジンのGE「F110」もトルコ企業が製造して供給した。
さらにF-35プログラムに出資したトルコは、F-35搭載エンジン「F135」の製造にも部分的に関わっているため、全くエンジンの製造に経験が無いわけではないが、軍事用のジェットエンジン開発は正真正銘、今回が初めての経験だ。
出典:public domain トルコ空軍のF-16C/D
Dur氏は、エンジン開発に重要な分野で経験を積んだ技術者の数は少ないと認めているが、エンジン開発に必要な技術者は国内外から広く募ると言っている。
要するに、ロールス・ロイスなどの企業と共同開発を行うのではなく、エンジン開発の経験豊かな技術者を海外から直接連れてきて開発を行うという意味だ。
補足:もしかしたらロシアの支援=ロシア人技術者の雇用という可能性もある。
確かに、この方法なら報酬次第で必要な技術者を確保することが出来るかもしれない。
しかし、雇用主自体に軍事用のジェットエンジン開発経験がないので、果たして経験豊かな技術者をまとめ開発プロジェクトを主導できるのか怪しいが、トルコ人技術者だけで開発するよりも実現性は高いと言える。
さらに最近、トルコはマレーシアに対し第5世代戦闘機「TFX」プロジェクトへ参加を打診したが、その狙いが明らかになった。
マレーシアには戦闘機開発に重要な複合材料を製造する拠点があり、トルコはTFXに使用する複合材料の供給先確保を狙って「TFX」プロジェクトにマレーシアを引き入れようとしているのだ。
どんな困難にも折れることなく知恵を絞るトルコの姿勢だけは称賛に値するが、本当にエンジン開発が上手く行くのかは別問題である。
※アイキャッチ画像の出典:JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 TFXのモックアップ

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